15周年を終えて

製品になったモノ、ならなかったモノたち。
製品になったモノ、ならなかったモノたち。

  お陰様で15年が経ちました。自身の仕事道具として作り始めた音響機器の中から、2003年にOLD LINE名義でゲインブロック(ディスクリート・オペアンプ)を世に出し、それを活かした「ラインアンプ」を日本で初めて単体製品化してから15年ですそこからお客様のご要望に応えるかたちで、業務用機器(マイクプリ、コンプ、ミキサー、DI等)を主にプロのミュージシャン/エンジニア、放送局、スタジオ等に納品してきました。

 この15年で音響を取り巻く世界も激変し、手軽に楽しめるリーズナブルな量産機種も増えました。その中で音響工房アナログ式と名称を変え、良質な音をより広く一般の方にも楽しんで頂けるようなオーディオ機器も作り始めています。しかしAI(人工知能)が感覚の「正解」となっていくような時代には私は違和感を持っています。なぜならアナログ音響機器の製作は、バイオリンやギター等のアコースティック楽器の製作と近い「生の世界」だと思っているからです。

 例えば、アナログディスク、テープ、CD等データの中に埋もれてしまった音を引き出し、演奏者の息遣いや現場の臨場感をそのまま伝えたいと思う。それはもちろんDTMを否定しているのではなく、音楽の作り手と受け手の媒体としてアナログ式の機材を使うことで、世界がより豊かになればいいと思っているだけです。だからデジタル音源にも使えますし、基本的に自由に、作り手も受け手もアナログ式「音楽」を楽しんで頂ければと思っています。

 また来年、気持ちをあらたに製作に向かいたいと思います。製品関するお問合せは年中お無休でお受けしています。お気軽にメールをください。宜しくお願い致します。
analogmode21@gmail.com

音響工房アナログ式

今井年春